箱根三社・九頭龍神社と環翠楼(2)

　[ 深沢銭洗弁財天 ]

箱根には、箱根三社と言って箱根神社、箱根元宮、九頭龍神社本宮の三社がある。いずれも芦ノ湖周辺にあって、箱根神社と箱根元宮については以前お参りに行き、詳細を「箱根神社と駒ヶ岳ロープウェイ」のページで紹介している。今回は残りの九頭龍神社本宮にお参りすることにした。しかしこの九頭龍神社、非常に便の悪いところに建っている。箱根園と桃源台のほぼ中間地点にあり車では行けない。ちなみに、箱根園から歩くと約２０分、桃源台（湖尻ターミナル）から歩くと約２５分である。

そこで、塔ノ沢温泉の環翠楼という旅館に前泊し、箱根園側から向かうことにした。環翠楼はロマンスカーの終点箱根湯本駅からも歩いて行けるが、今回は箱根登山鉄道の塔ノ沢駅から向かってみた。ちなみに、塔ノ沢駅の上りホームに接して、深沢銭洗弁財天が建っている。こちらは、「塔ノ沢周辺散歩と温泉旅館」のページで紹介しているので詳しいことは省くが、大正１５年に深沢の清流脇に小さな石造りの社を建てお祀りしたのが始まりだそうである。境内の社の脇には蛙の石像が置かれ、お参りを済ませたらここで記念撮影。　


[ 塔ノ沢駅から環翠楼へ ] 記念撮影を済ませたら、駅前の車が通れない細道を歩いて行く。左手に箱根弥八七福神が見えたら、まもなく国道１号線に出て環翠楼に到着する。

　[ 環翠楼３３号室 ]

そして、帳場で宿泊カードへ記入し、仲居さんに部屋まで案内して貰う。ちなみに環翠楼は、これまで何度か泊っており、「湯場滝通りと塔ノ沢温泉・環翠楼 (1）」でご紹介している。ただ、これまで山肌側の客室で眺めがあまり良くない部屋ばかりだったのだが、今回は早川の渓流側客室である。しかも、部屋タイプお任せで予約していたものだからなんか得した気分だ。ジャケットとレギンスを脱ぎ、夕食までしばし窓辺に腰かけてのんびりした。そうそう、レギンスを脱いでも下はストッキング。やはり真冬は、防寒対策が必要である。（笑）　


[ 九頭龍の森へ ] 翌日は環翠楼を出ると、近くのバス停上塔ノ沢から元箱根へとバスで向かう。そして元箱根からは、レンタサイクルを借りようかとも考えたのだが、元箱根港向かいのタクシー乗り場からタクシー（料金１，１９０円）を使った。タクシーを降りると、ここからは徒歩。箱根園から続く遊歩道を歩いて行くと、やがて「九頭龍の森」入口受付のある建物が現れる。九頭龍神社は、受付で入園料６００円を払い、この森の中を進んで行く。　[参考URL]　九頭龍の森公式HP

　[ 白龍神社 ]

そして、まず現れるのが白龍神社である。白龍神社は白和龍王（白龍大神）をお祀りする社で、ここで参拝し湖畔に沿った園内の道を歩いて行けば、目的の九頭龍神社へ到着する。　

　[ 九頭龍神社本宮 ]

九頭龍神社は芦ノ湖側から見ると、弁財天社、鳥居、九頭龍神社本宮の順に並んでおり、手水舎で手を清めた後お参りした。ちなみに、九頭龍神社の由来は、その昔、人に被害を与えていた毒龍に対し、萬巻上人という高僧が湖中に石壇を築いて調伏の祈祷を行ったところ、毒龍は形を改め帰依し龍神となったことに発し、湖中には今でも鳥居が建っている。

　[公式HP]　箱根神社・九頭龍神社・箱根元宮　

　[ 芦ノ湖の砂浜 ]

九頭龍神社を参拝した後は、九頭龍の森を更に奥へ入って行くと、やがて砂浜が現れる。芦ノ湖にしては珍しく、ここでしばしのんびりしていると、桃源台方面から海賊船がやって来た。海賊船を見送ったら、来た道を引き返し元箱根へと戻ることにした。　

　[ 元箱根港 ]

元箱根に戻ったら、九頭龍神社のご利益だろうか。これまで曇っていた空から太陽が顔を出した。しかも、一番新しい海賊船「クイーン芦ノ湖」も桟橋に停泊中。

　[参考URL]　箱根海賊船公式HP 　


[ 元箱根港の温泉 ] 最後は、元箱根港の向かいにある「ホテルむさしや」で温泉に入り冷えた体を温めた。こちらは、大浴場、露天風呂とも、ちょっとオープン過ぎるきらいはあるが、芦ノ湖のビューが素晴らしい。注）ホテルむさしやは２０２４年１月末で閉館。他に芦ノ湖を望む温泉だと、箱根園に龍宮殿本館がある。　[参考URL]　蛸川温泉龍宮殿本館


[ 環翠楼の建物 ] そして、夕食を摂り終わったら、館内に３つある温泉を巡る前に建物内を散策した。随所に展示された美術品のほか、４階には舞台付き大広間「万象閣」など３つの大広間がある。また、大広間の横には配膳スペースがあって、厨房と繋がっている料理用昇降機（エレベーター）もあった。そして、のんびり湯に浸かった後は、翌朝までぐっすりお休みである。